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特別講演 2009 中面 哲也 先生「がん特異的免疫療法はがん医療の救世主となれるのか?」
平成22年1月22日(金) 17:00−18:00 鶴友会館会議室
中面 哲也 先生
(国立がんセンター東病院 臨床開発センター がん治療開発部機能再生室長)
がん特異的免疫療法はがん医療の救世主となれるのか?
Will
cancer-specific immunotherapy be the savior of cancer medicine?
現在までに、様々ながん拒絶抗原およびペプチドが同定され、国内外においてそれらを用いた様々な臨床試験が実施されているが、その有効性は未だ明らかにされておらず標準療法としても確立されていない。しかし、最近日本国内の様々な施設からがんに対するペプチドワクチンの有効例の報告も散見される。
我々は肝細胞がんのがん胎児性抗原glypican-3(GPC3) を同定し、進行肝細胞がん患者を対象に、GPC3ペプチドワクチン臨床第
I
相試験を実施した。まず、その一連の結果と今後の展望を述べる。
また、体外培養がん抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を用いる養子免疫療法などの工夫した免疫療法の開発や他の治療との併用などにより、ペプチドワクチンよりもさらに有効な画期的治療法となりえる可能性を十分に秘めており、がん治療に大きなブレークスルーが起こることは十分期待できる。
現在、がんの補助療法あるいは手術などの局所療法が無効ながんに対する治療法として主流の抗がん剤は、確かに有効な場合もあるが、無効で有害事象だけが生じる場合も少なくない。最近脚光をあびている分子標的治療薬は高額であることも問題である。まだ元気なのに、「あなたにはもう治療法はありません。」と宣告される患者も少なくない。我々が実施するがん特異抗原を標的とした免疫療法は、理論上、重篤な有害事象は起こりえず、有効性さえ証明できれば、標準的な治療法や補助療法となりうる可能性がある。また将来的にこれらワクチン等の免疫療法によりがんの予防法が確立できれば、国内がん患者数の減少に寄与することができ、国民の健康維持に大いに貢献できるものと考える。ワクチンはより安価に提供でき、一般の医療施設でもできる治療である。さらには、がん特異抗原を用いて抗腫瘍T細胞を大量に培養して投与する養子免疫治療法の開発により、患者個々にオーダーメイドで有害事象のない画期的な治療が可能になれば、抗がん剤治療に頼ってきたがん治療を大きく変える可能性があり、患者のQOLの改善にとっても大きな役割を果たすものと考える。まだまだ越えなければいけないハードルは多いが、がん特異的免疫療法ががん治療を変える可能性は十分にあると信じている。
注: 講義内容は変更することがあります。変更があった場合は、逐次、グローバルCOEのホームページ等でお知らせします。






